ハワイの観光客さまざま

今年の6月、ハワイを訪れた観光客は1ヶ月で65万人に達した。このペースでいくと今年は、過去最高の年間750万人を超えるという。8割弱が米国本土のアメリカン、2割弱がニッポン人、残りが世界各地という比率だ。嫌日の某国を嫌うニッポン人の間では、安全で清潔なハワイが再び人気を回復している。

アメリカンがハワイを選ぶ理由は、なんといっても安全第一。国外への旅は、連続航空機事故やテロの危険がある故、嫌われる。ハワイは国内でありながら異文化社会だから、東洋のエキゾチシズムが魅力だ。

アメリカンのハワイ滞在は平均10日間。ニッポン人はその半分の5日間だが、ハワイに落とすカネの額はアメリカンの2倍だ。観光収入に経済を依存するハワイでは、気前の好いニッポン人は大歓迎だ。

ニッポン人はホノルルに着くと、まずは下見。いざ買い物を始めると、すさまじいショッピング魂は帰国の直前までハイフィーバー。「高い航空運賃を払ってハワイに来たのだから、リゾートライフも楽しんだら?」やんわり忠言すると、「いいんです。ほっといてください!」女性のこのセリフに追い討ちは禁物だ。

或る時、知人の新婚カップルに「ハッピーかい?」と尋ねたら、「お買い物が順調に進んでハッピーです」と言う。見せてくれた買い物リストは、仲人、同僚、友人など数十人への祝い返しがびっしり。蜜月ならぬ苦行旅行だ。これが成田離婚の一因とみた。

義理掛け習慣のないアメリカンがハワイで過ごす時間のすべては自分のもの。ホテルにチェックインすると、すぐ裸になって、新婚カップルはそのままベッドイン。それ以外の者は、ワイキキビーチで蒼い空、澄んだ空気、白い砂浜、エメラルドの海を満喫する。いずれもタダのものばかり。アメリカンがハワイにカネを落とさぬワケは、ここにありだ。

(出典: デイリースポーツ)

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