支払いは電話1本

沖縄に住んで2ヶ月過ぎた。この間、ホノルルの我が家は空き家のままだ。電気代や電話代など月々の掛かりは前払いを済ませてきたが、クレジットカードの支払いは、利用金額の予測がつかないから、前払いというわけに行かぬ。毎月郵送されてくるカードの請求書は、ホノルルの局留めになっているから、手元にはない。支払いもせず、3ヶ月も放置すると、年利20パーセントの利息を払わねばならぬ。思案に暮れ、カードをためつ眇めつ眺めていたら、海外からのフリーダイヤル番号が目に入った。早速ダイヤルしてみる。

アメリカは真夜中であるにもかかわらず、女性の声で久しぶりの英語が受話器から聴こえてきた。

名前、カード番号のほかに、暗号に使われている“母親の結婚まえの姓”を告げると、本人と確認してくれた。「どんな御用でしょう?」という問いに、事情を説明し、請求金額と郵送のあて先を教えてくれたら小切手を航空便で送るというと、そんな回りくどいことはしなくていいという。

「お手元の小切手に書いてある銀行の9桁の認識番号と、お客様の口座番号をお知らせくだされば、請求金額を直ちにこの口座から引き落とさせていただきます。よろしいですか?」オーケイと返事すると、2秒とおかず「送金は完了しました。送金の確認番号はxxです」といって、9桁の番号をくれた。嬉しくなって礼をいうと、「来月のお支払いには、私どもに電話いただかなくても、プッシュフォンに数字を打ち込むだけで送金が可能です」といって仕方を説明してくれた。

日本の金融機関では、こうは簡単にいかない。店に出向いて順番待ちの番号札を手にし、しばし無為の時を過ごさねば送金ひとつできない。この違いは、IT機能の不備もさることながら、ユーザーを大事におもうサービス業の根本思想にある。ユーザーのニーズにあわせて、コンピューターをプログラムし直したら?

(出典: デイリースポーツ)

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