アメリカンは超楽天的

先週、成田から出発するホノルル便に乗って驚いた。4分の1ほども埋まっていない客席の半分は50人に満たない中国人の観光ツアーグループ。ガラガラのビジネスクラスに座っているのは移動中のクルーたち。ニッポン人客の姿は殆どない。

出発前にパイロットが予定飛行時間は6時間とアナウンスする。離陸すると軽い機体は高い夜空を疾風のごとく飛翔する。予定時間を15分も短縮し5時間45分でホノルル空港にタッチダウンした。これまでホノルル便に乗った回数は30回を超えるが今回が最短飛行時間だった。

いつも日本から帰りのフライトでは、ディナーを含むすべての機内サービスを前もって断り、離陸と同時に眠剤を飲んで眠りにつく。約7時間のちの着陸直前に起こしてもらう。冬衣装をポロシャツに着替え着陸にそなえる。窓から日の出を眺めながら飲む朝一番のコーヒーが美味い。今度のように4時間足らずで起こされると眠気が残って目覚めが悪い。

この時間帯はニッポンや韓国から到着した団体客でごった返す入国審査ロビーも今朝に限って人影まばら。100年に一度の金融危機に加え、いまだに続く燃費上乗せ料金の影響だろうか。ニッポン人には円高のうまみがあるのに、なぜかハワイ旅行は敬遠されている。韓国では急激なウオン安で海外旅行そのものが嫌われ、ニッポン訪問のツアーも激減しているという。ましてやハワイなどというのが本音だろう。

「この先ハワイの経済はどうなるんだろうね?」永年米政府で働いたリムジン運転手に水を向ける。「お留守の間に総額4千5百億円のオアフ鉄道計画が可決されました。州民の負担は増えますがオバマ政権に替わったら総てがよくなりますよ」超楽天的なところがアメリカンの強みだ。力強い言葉をありがとう。

(出典: デイリースポーツ 2008年12月4日)

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