続「観光ハワイが泣くで」

先週からワイキキのホテルに滞在中の大阪のオッチャンを訪ねた。「機嫌直してハワイをエンジョイしてはりますか?」「空港で乗せられた“家畜運搬車”の気分の悪さがまだ残っていてあきまへん」ホノルル空港の到着ゲートから入管まで運行している3両連結のバスは、冷房もなく、キイキイと金属性の悲鳴をあげ、カーブのたびに大きく傾く。あまりの不快さに、その場でUターン帰国しかける観光客も何人かいるという。この時代がかったオンボロバスは、先週オッチャンに“家畜運搬車”と呼ばれてボロクソにこき下ろされた。

「日暮れのあとのホノルルは、街全体が暗うて、なんとなく貧乏臭うおますな」オッチャンは鋭く衝いてくる。アメリカ本土から移った当初、街灯の灯りが小さくて路面が暗く感じられた。道路標識も小さくて、なぜか通行人から見えにくいところに位置している。

「問題は街灯の明るさだけやおまへんで。ハワイのドライバーは大阪人よりも運転マナーが悪い。夕べもワシが横断歩道を渡っとるのに、クルマが目の前を平気で右折しまんねん。危うく轢かれかけましたわ。これでは東南アジアの街と同じでんがな」「オッチャン、観光地評論家みたいなこといいますな」「この街には歩道の脇の花壇やら、ちょっと休むのにベンチのある広場やらがおまへん。カラカウア大通りの一軒一軒の店は豪華でっせ。けど、通りの景観はもひとつでんな。観光客にとっては街全体が豪華で綺麗なリゾートでないとあきまへんのや。街角から貧乏臭いもんを全部撤去してみなはれ。また、ニッポンから大勢ハワイへ来るようになりまっせ」

ハワイ観光客のうち日本人は2割ほどだが、カネは他国人の何倍も使う。それが毎年減る一方だから、ハワイ観光局はあわてている。「観光局の方、この際大阪のオッチャンをコンサルタントに雇うたらどないです?」

(出典: デイリースポーツ)

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