無知ほど怖いものはない

安倍首相の訪中訪韓にあわせて北朝鮮は核実験を遂行した。ビョンヤン放送テレビは「われわれの科学技術者たちは、計画どおり安全な核実験に成功した」と報じた。朝鮮語は皆目理解できないが、アナウンサーの口調は、東映映画の遠山の金さんが「やいやい、この桜吹雪が目に入らねぇか」と大見得をきる口調にそっくりだ。画面をみるたび笑ってしまう。核実験に「安全」はなじまない。察するところ、実験は失敗に終わり、期待したほどの破壊力は得られなかったのだろう。針小棒大報道を得意とするのがピョンヤン放送テレビだ。成功していれば「何メガトンの破壊力」と誇らしげに伝えるだろう。失敗を「安全」という言葉でごまかしたものと推理する。

北朝鮮といえば、ソウル大学スタッフが語ってくれた、北朝鮮友好使節団のソウル訪問時のエピソードを思い出す。北の訪問団はソウル市内の店に山と積んで売られている商品をみて、「お宅の政府にも高官がごまんと居るようですな」と案内係に囁いたそうだ。彼の国ではこうした品物を自由に購買できるのは政府高官のみ。母国の事情にあわせて商品の数量から算定したところ、韓国には数十万人の高官がいるものと推理したようだ。

ソウルの道路を埋め尽くすクルマの洪水を目にした使節団の一人は「これほどの数のクルマを米国や日本がよく貸してくれましたな」とマジで言ったという。この御仁、ソウルの道路を埋めるクルマは全部借り物で、使節団に工業力を偽るために、韓国政府が仕掛けたカラクリと思ったようだ。

使節団を地下鉄に乗せたら「このトンネルは軍事境界線の下を通過し、わが祖国に通じているに違いない。地下鉄に兵士を乗せて侵攻する作戦なのだな。帰国したら早速、将軍様に報告しなくては」と言ったか言わずか。

この世に無知ほど怖いものはない。

(出典: デイリースポーツ)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です