コンド滞在は熟年成田離婚を招く?

「ハワイには2週間ほど滞在の予定だが、今回はコンドで過ごしたいから、適当なのを探して欲しい」というメールは、定年退職間もないQからだった。「ホノルル着の期日を報せよ」と応答したところ、来年1月下旬にカミさんと二人で来るという。

早速ホノルルアドバタイザー紙のバケーションレンタル欄に眼を通してみる。「家具什器付き1DKコンド、週900ドル。共有プール、バーベキューグリル、ガレージあり」というのを見つけてQに報せると、折り返し「1泊300ドルのホテルで2週間、4200ドルの出費を覚悟していたが、コンドなら半分以下の1800ドルで済む。素晴らしい!これに決めた!」と極度興奮状態の返信がきた。

ちょっと待てよ、Qのヤツ、カミさんに相談したのかと訝り「奥方は了承済みなりや?」とたずねたところ、数日後「家内はいま不機嫌の絶頂にある。コンド滞在のハナシは白紙撤回にしてくれ」と報せてきた。

外国でコンドに住んでみる体験は、Qには興奮の極だろうが、奥方にしてみれば、日ごろの暮らしの場がニッポンの自宅からホノルルに移るだけ。ハワイに来てまで、食料や日用品の買い物にスーパー詣、三度の食事の支度やあと片付け、汚れ物の洗濯からベッドメイクまでさせられたら、アホらしや、何のためのハワイ旅行かわからない。おまけにQは旅の荷造りまで奥方にさせる不精男だ。コンド暮らしは断固反対。恋愛中や新婚当初なら、短期間のコンド滞在にはままごとのような新鮮味もあろう。結婚以来一緒に過ごしてきた1万余の退屈な日を、ハワイに来てまで続けさせられると、奥方は黙ってはいない。

熟年男性に謹んで申し上げますが、ハワイではコンドなどに滞在せず、上げ膳据え膳のホテルを予約し、奥方のご機嫌伺いに励むことですな。「成田離婚」は新婚の若者だけとは限りませんぞ。

(出典: デイリースポーツ)

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