古希のパワー

暮れから正月にかけてはハワイまでの航空券もホテルも日ごろの数倍に跳ね上がる。それをものともせずホノルルを訪れるのは、タレント、プロスポーツ選手その他のセレブたち。ホノルルの街が一段と華やぐ季節だ。

我が家でも暮れのホノルルマラソンからビジターの絶え間なし。訪れ来た人たちは古希前後のほぼ同年輩、プロ野球名球会に名を連ねる往年のスーパースター、ラジオの深夜放送で一世を風靡した名パーソナリティ、ビジネス界の大御所などバラエティーに富むセレブたち。ひと際華やかな人たちがそろってニッポンに帰ったいま、絶海の孤島に一人取り残されたロビンソンクルーソーの気持ちに浸っている。

齢70ともなると、だれでも明け方4時過ぎには自然に目が覚める。それを「ワシは若い頃から毎朝4時起きして朝飯まえに一仕事済ませてきた。その習慣のせいでハワイにきても早く目が覚める」と言い繕う。ディナーの席で翌朝のゴルフのティータイムを伝えると「ワシは酔うと忘れるからメモしとくわ」と照れながら紙ナプキンにメモをとる。隣に座ったカミさんに「シラフでも忘れるくせにカッコつけんでよろし」と真相を暴露されるが素知らぬ顔。すべて我田引水、自画自賛で納得する。それを許されるのが古希の特権というものだ。

70過ぎたオジンやオバンにしてはみんな若いしパワーがある。よく飲みよくしゃべり人一倍よく食べる。若さと活力維持の秘訣はエネルギー補給にありと見た。

とりわけ華やかなR子さんは70過ぎだが15歳サバを読んでもまだ足りないほどの若さと美貌の持ち主。ゴルフでは男性とおなじティーから打ってハーフを40前後であがる実力者だ。クラブチャンピョンを取ったのもむべなるかな。そのR子さんにサシで勝負した4ラウンドを3対1で負けた。今のオンナは強い。敗因は勝負に掛ける執念不足と、女性を思いやる優しさだ。次回は心を鬼にして必ず勝つ。

(出典: デイリースポーツ 2008年1月17日)

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