“オバマカット”

オバマ大統領が誕生して2週間が過ぎた。この間アメリカンと会うたび「オバマ大統領は本当に米国を変えてくれると思いますか?」と尋ねてみた。10人のうち9人は「大丈夫。経済は立ち直り荒んだ人心は修復され強いアメリカが復活しますよ。そう信じています」という。このノーテンキさがアメリカンの強みだ。

この若くて背が高くてハンサムで、ダイナミックで頭脳が切れる新リーダーにアメリカ国民は大きな期待を寄せている。「演説の声もオトコらしくていいけど、“オバマカット”のヘアスタイルが清潔でステキだわ」とはわがカミさんの弁。

世界は今や一大ピンチの中にある。世紀に一度あるなしの経済危機に立ち向かうには、国民も大統領とともに国と世界に新秩序を回復するぞという気概が要る。民主党の共和党のと言っている場合ではない。党派を超え一致協力して大統領の打ち出す政策を素早く実行しなければならない。メディアにも今は新政府を批判するときではないというスタンスが感じられる。

それにしてもオバマ大統領の就任演説は素晴らしかった。特に感動を呼んだ部分を書き抜き要約すると「この未曾有の危機は早急には解決されないだろう。恐れより希望を、対立や不和より目的を共有して前進すれば必ず途は開ける。勤労、誠実さ、勇気、公正さ、忍耐と好奇心、忠誠と愛国心の原点に立ち戻ろう。われわれは新しい責任を自ら進んで果たすべき時代にある」

ニッポンでは自らの哲学を語り信念を国民に向かって呼びかける指導者は存在し難い。麻生総理が信念を語っても党内の都合で選ばれた人間が何を言うかと相手にされない。だが今のニッポンを救うためには党派を超えた強力なリーダーが要る。いっそのこと大統領制を導入してはどうだろう。郵政民営化を問うた選挙の圧勝は小泉首相を支えた国民の声ではなかったか。

(出典: デイリースポーツ 2009年2月5日)

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