血液型はC型

「センセは、いろんな想いがいつも頭のなかで渦巻いている御仁やから、絶対にA型やと思うわ。当たったでしょう?」

先日の大阪で、いつものイタリア料理店ドンキショッテに集い、シェフ自慢のコースとワインの一宵を楽しんだ。その夜のパートナーは某社のオーナーと某広告会社のアカウントディレクターの女史ふたり。それぞれ自分の企画裁量で組織を動かす立場にあって、40歳プラスの輝ける女性たちだ。

「残念ながら外れでんな。ボクの血液型は最近発見されたC型いいまんね」
「ウソッ!ところでセンセ、アメリカ人の性格も血液型とマッチしますのやろか?」
「アメリカ人は型に嵌められるのを毛嫌いしますねん。血液型がどうやから性格が暗いの明るいの仕分けてくれるな、占いやないでというわけですわ。血液型で性格をあれこれ言うのは、ニッポン人だけに通じる信仰みたいなもんでっせ。お二人とも、ええかげんに迷信から覚めたらどないです」
「センセ、間違うてはる。わたしの知り合いやともだちは、みな、血液型と性格が見事に一致してます」
「そう言うところが典型的ニッポン人ですがな。ひとがA型やいうたら、A型の性格ばっかりを抜き出して見てはるのと違いますか?」
「ほっといてください」
「ガンといえばサルの腰掛にアガリクス。インゲン豆がダイエットに効くといえば、買って食べて病気になる。たちの悪い商売人のええカモですがな。お二人ともしっかりものの大阪おんなでしょ。血液型なんぞで男を見定めたら人生を誤りまっせ」
「センセは、血液型と性格には、医学的な関係はないといわはるのですか」
「ニッポンとアメリカで40年医者やってて、同業者の話題になったことはいっぺんもありまへん。これで納得?」
「そやけど、世間では納得できんことも真実やいいます。わたしやっぱり信じるわ」

(出典: デイリースポーツ)

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